ロングショット

最近、めっきり当たり馬券から遠ざかっているからというわけではないのですが、「ロングショットをもう一丁(著・岩川隆)」なる本を読み返しています。

 

ロングショットとは、すなわち「大穴」の事です。

 

競馬場等で、垣間見られた"馬券士"が綴られています。

"券士"の馬券の買い方には、過ごしてきた人生などが複雑に交差している中から編み出されているようで、なかなか感慨深い作品です。

 

ある一節に「嘘で固められた人生を過ごしてきたから、これからは嘘のないお気楽で自由な人生を生きていく」的な文言を目にしたとき、地方自治体の職員時代を思い起こし、自分は正しいと思うことを一生懸命やってきたという自負は吹き飛びました。

住んでいる人々にとっては「嘘」に見えることも多く、内部事情のなかには「嘘」が混在していたかもしれないという反省の念に駆られます。

なんだか30年間の仕事を単純に否定するのではなく、なんてことのないことだったんだと思い、これからの人生の生き方に改めて襟を正す必要のあることが感じられました。

 

その他、ある時期の函館競馬で出た万馬券をほとんど的中している翁、きっぷのいいおかみさん風、孤独で寡黙な長距離トラック運転手など、まさに老若男女の"券士"たちの深い深い人生観と券士道は、学ぶべきことが多いです。

 

また、「儲ける」というのは、「信じる者」と書くんだよという一句には、思わず感嘆です。

さて、今週のオークスは、桜花賞馬デアリングタクトを信じて勝負です。

ただ、肝の据わっていない"弱小券士"は、いまだに、あれを買うかこれを買うか、雑念を振り切れずに難儀しています。(^^;