誰もがバフェットになれるわけじゃない

 株式投資を始めて何年たつだろう。

 社会人時代に、「バフェットの銘柄選択術」なる本を購入し、一度だけ読んでみたこともあった。

 退職後、「億り人」を夢見て、TOPIX銘柄からボロ株あさりに始まり、モメンタムなど理論を学び、うまく波に乗れないまま投資の軸がぶれていた。ただただ、1億円稼ぐんだと鼻息だけ荒く空回りする日々を過ごしていた。そんな時、www9945さんやv-com2さんの本に触発されて、現在の優待株重視に至っている。

 最近、とある本(「捨て本」ホリエモン著)を読んでいて、株式投資を始めた頃は「億り人」を夢見ていたが、1億円を稼いだからって何かしたいことがあるのだろうか?と疑問を感じてしまった。

 1億円でなく10億円ならば、いや10億円でなく100億円だったらどうだろう・・・。100億円あったら、牧場経営でもしてサラブレッドを走らせるのもいいなぁ、なんて妄想だけは猛々しい。実際は、20代や30代ならいざ知らず、普通の生活を営む家はあるので、プール付きの大豪邸が欲しいとは思わない。車も大衆車はある、フェラーリやポルシェに興味もない。

 

 では、なぜ株式投資をするのだろうか?

 老後の資金風邪ぎ?いやいや、率直に、好みの優待品が欲しいからだ。もちろん、配当金が高いに越したことはないが、配当金の多寡だけでは妙味が薄い。

 バフェットは、「オバマの賢人」として、世界的長者番付に名が上がる大金持ちになったが、誰もがバフェットになれるわけじゃない。バフェットにも紆余曲折はあった。同じ道を、退職後の小市民がたどろうというのは、実感として虫が良すぎる。結局は、出来上がったものや売れている商品を追いかけて、散在することになる。株もしかりだろう。

 そういう意味で、「捨て本」は、物や人に縛られず、捨てることの大事さを貫いている。

 昨今の、急激な株の上がり下がりをみていると、急騰下落に一喜一憂することなく、希望の優待品が届く日を待つ、そんな株式投資でもいいんじゃない?と、ようやく思えるようになってきた。