JRAから永野猛蔵騎手の引退が発表された。
調整ルームにスマホを持ち込み、外部と通信したという一連の報道関連。すでに、今村聖奈騎手などの騎乗停止処分や藤田菜々子元騎手の引退などは周知のとおりですが、まだ続くんですねぇ。
「最近の若い者は・・・」と、自分も若い頃言われた時、いい心持ちにはならなかったので、彼(彼ら)に対して、そのような言葉を投げるつもりはないが、馬券予想をしていたというのでは完全にアウトである。
もっとも、予想したところでレース結果がその通りになり、いわゆる八百長まがいになる確率はかなり低いだろう。騎手でありながら、そんなこともわからなかったのか。
JRAの対応にも疑問が残る。裁定委員会で12か月の騎乗停止処分を下したものの、本人から免許取り消しの意向を受けての引退扱い。レッドカードで一発退場(=競馬会永久追放)が妥当ではないだろうか。かつて、事の真意(覚せい剤所持だったか?)はわからないが、スター騎手だった田原成貴は永久追放されている。
また、同日発表された横山琉人騎手、佐々木大輔騎手に対する制裁についても、実際に外部と通信していた横山琉人騎手と他人が外部と通信しているのに同席していた佐々木大輔騎手の処分が同等というのもチグハグな感じがする。
すべてを「若気の至り」で済ますつもりはない。自分自身の若いころを振り返ると、とても人には言えないようなことをしたりして、今はただただ赤面して振り返るばかり。誰しも羽目を外すということは多かれ少なかれあったのではないだろうか。
スマホに関していえば、今の世の中、ほとんどの人がスマホを所持して、電車に乗れば7~8割の人がスマホをいじっている時代。JRAのルールが時代にそぐわないのであれば、ルールを変えるべきだろう。
ちなみに、2002年11月に発行された「武豊×オリビエ・ペリエ」という本を最近になって手に取った。その中に、調整ルームに関するくだりがあった。海外競馬では、1時間前に競馬場に入ればOKという実情から、武は「なくてもいいんじゃないのかな」というスタンス。ペリエは、「素晴らしいシステム」と称賛するものの、騎手本人が使いたければ使い、必要なければ使わなくてもいいという条件付き。
20年前でさえ、トップジョッキーからそのような話が出ているのだから、JRAもいい加減、調整ルームのあり方やスマホ時代の世の中に即した対応を決断するべきだと思う。
海外競馬に参戦して腕を磨こうとする若手騎手がいる反面、ルール違反をして、それを咎められると、「すぐ辞める」という選択をしてしまう若い騎手に二分されているのだろうか。
50歳過ぎても頑張っている武豊騎手等もいるが、若手騎手の多くが安易な選択をするようでは、将来、日本競馬の騎手は、外国人騎手が大半を占めるような気がする。