野生の風

 すっかりファンになってしまった村山由佳著『野生の風』を読み終えた。

 

 『天使の卵』シリーズを読んでいた本の裏書にあった『野生の風』のリード文を読んで、これも読まねばと思っていた。

 染物職人と写真家のラブスートリー。短い文章からイメージは膨らんでいたものとは内容が違っていた。

 されど、作者独特の言い回しは健在で、寂しさとはかなさとが入り混じる作品だった。文中に、様々な色に関する表記が多出していて、時折、色を想像してクラクラすることもあったが。

 シリーズものと違い、1作ものなので、次にこれを読まねばという急き立てられる感がなかったのは、ある意味安堵できた。

 

 さて、多数ある作品群から、次はどうを選ぼうか、はたまた、少し間を置こうか、思案している自分がいる。