「嫌われ松子の一生」と続編「ゴールデンタイム」を読み終えた。
「嫌われ松子の一生」は、映画の宣伝シーンでなんとなく知っていたが、今まで読む機会がなかった。
確か、中谷美紀が主演していたような記憶がある。Wikipediaによると、映画は2006年5月に公開されている。
映画は小説と趣が違い、ファンタスティックなミュージカルシーンやコミカルなタッチで描かれているようだ。
小説は、レイプ、裏切り、殺人、シャブ、刑務所等々「これでもか!」というほど悲惨で、落ちていくさまが描写されていて、読みごたえがありつつ、このまま読んでいいのか躊躇してしまう感もあった。ラストも悲惨な結果となるのだが、ふと、作者はこの作品で何を伝えたかったのだろうか?と考えてしまう。
人生はいろいろで、ちょっとしたこと(実は大きなこと)で足を踏み外して、転げ落ちてゆくもの、ということなのだろうか?400pほどあるのだが、途中で一休みしていると、早く読めと背中を押されているような感じのする作品だった。
続編「ゴールデンタイム」は、松子の甥とその恋人が主人公で、「嫌われ松子の一生」とは一転して悲惨でもないストーリー。ラストは、明日への一歩を踏み出す作りで、対照的だが転換を思わせる作品だった。
2作で「明日への一歩」の踏み出し方を、作者は伝えたかったのだろうか?
原作:山田宗樹