韓国料理

 夜の新大久保に出かけた。

 目的は、チュクミ(イイダコを味噌で煮込んだものらしい)という韓国料理を食すること。メンバーは、4年ぶりに会う元同僚で、還暦前後のオヤジ3人(うち一人は私)という構成。

 何が何でも韓国料理という気分ではなかったが、せっかくのお誘いなので乗っかってみた。

 車に乗せてもらった都心の夜は、至る所に照明があって思いのほか明るかった。

 新大久保付近につくと、若者中心の人だかりがあちこちにあり、まるで昼間の原宿竹下通りを歩いている感じだった。聞けばホットク(ホットックともいう)という韓国のお菓子に群がる女子の群れだった。

 新大久保における自分の中の古いイメージは、細い路地裏に中南米系の女性が立ちんぼして男性を誘う街というもの。ちなみに、当日もちらほらではあるが、中南米系の女性が安ホテルの前に立って、何か小さな声で囁いていた。

 

 さて、目的のチュクミのお店に到着。しかし、20人近い人が外で行列というか待っている状態だった。そんなに人気があるのか・・・と少し驚いた。2号店が近くにあるというので移動してみると、そこも同様の混み合い。まごまごしてると何もありつけないということで、チュクミは断念して、席の空いているお店に入った。

 そこで、サムギョウプサル(厚切り豚肉を焼いたもの)をサンチュ(レタスみたいな葉っぱ)につつみ頂いた。あとは定番のお鍋(乾麺を入れチーズをのせたもの)、中にさつま揚げ風のものやトッポギ(細長いお餅)などが入っていて、ピリ辛のうまい鍋だった。最後にチュクミが食べられなかったので、タコの石焼を頼んだが、これはイメージと違う味も合わなかった。ひとしきり食べて店を後にした。

 夜の新大久保への旅?は、楽しくもあったが疲労感が重く残った。夜遅くまで起きている生活からかけ離れて、街灯もポツポツしかない住宅街に住んでいると、眠らない街の喧騒が自分に合っていないことがよくわかる。年のせいか?いや、もともと喧騒は好まないタチだ。静かに暮らすのが性にあっている。

 

 ちなみに、先日「三年坂」という伊集院静氏の短編集を紹介したが、彼が在日韓国人2世であることを知った。

 小説の他に図書館で借りてきた「大人の流儀」なるエッセイが、とても小気味よくここちよさを感じた。「大人の流儀」を読み終えて、いまは「続・大人の流儀」を読み始めている。