徒然なるままに

 何か月ぶりかに帰省した。

 目的は、栗が好きな母親を、テレビの旅番組でみた「こぼれモンブラン」のお店に連れて行こうという目論見。

 栗の味がすると最初は喜んでいたのですが、食べ進めると「甘すぎるし量も多すぎるね」と、なにやら不満げな表情になってしまった。確かに、モンブランの中にあったマロングラッセのような砂糖菓子は甘すぎでしたが、喜ぶと思っていただけに、残念な気持ちで終了。

 帰路の途中で買ったケンタッキーのチキンフィレバーガーを、帰宅してから「おいしい、おいしい」といって食べていたのには、苦笑いでした。まいっか。

 

 母親は、今年91歳。

 夏場で食が細くなるかと思いきや、「あそこの中華屋の餃子が食べたい」、「回転寿司でいいから中トロを食べたい」と、たまに帰省した息子夫婦は、食を求めて奔走。

 さらに、「米が買いたい」、「牛乳は重いから今がチャンス、らくちんらくちん」という感じ。あまりにオーダーが続くと、「俺は運転手か?」という想いも、もたげてくる。ただ、父親が亡くなって2年を過ぎ、一人での生活の楽しみ方を”食”に向けているだけに、無碍にもできないところかな。

 まぁ、元気であればよいということにしよう。と、多少のイラつきを口にせずにいました。

 そういえば、佐藤愛子さんの「90歳、なにがめでたい」という本は、読んではいないのですが、長生きすると、きっとそういう心境になるんだろうな、とわからないでもない気がします。