花の慶次

 

 「花の慶次」と聞くと、漫画やパチンコ(パチスロも?)を連想する人が多いだろう。。。

前田利益*1は、自らを「傾奇者(かぶきもの)」、「大ふへんもの」と称して、社会の枠組みにとらわれず、自由奔放な生き方を貫いた人として描かれている。また、戦国時代を生きながらも、いたずら好きな面が多かったと逸話として残っている。

 

一個の人間を「立って半畳、寝て一畳。飯を食っては2合半。」と評することに、何気ないながらも、痛く感心したことを、今も覚えている。

 

いくつかある前田慶次を記した文献の中で、秀逸なのが、漫画の原作者でもある隆 慶一郎(りゅう けいいちろう)氏の『一夢庵風流記』ではないだろうか。

 

隆 慶一郎氏は、脚本家として活動を始め、映画、テレビドラマなど幅広い作品を手がけた後、小説家として作品を世に送り出した。後で知ったのですが、みなさんご存じの「水戸黄門」や「鬼平犯科帳」、「ご存じ遠山の金さん」なども、一時期手掛けていたのです。

 

一夢庵風流記』を契機に、隆 慶一郎全集なるものを読破しました。その他、宮本武蔵によって育てられた後水尾天皇落胤が、色里・吉原を守り、吉原御免状を巡って、老中・裏柳生と死闘を繰り広げる『吉原御免状』や 徳川家康は、本当は関ヶ原で死んでいたとする『影武者徳川家康』など、興味をそそられる時代小説が多いです。

(※文中に、時折、残忍な情景や過激な表現が含まれていることがあったような気がします。) 

 

時代小説は、現代社会にはない「のびやかさ」と「晴れやかさ」と「花」があり、読むものに、浮世を忘れさせ楽しませてくれる。

現在、読書中の「大菩薩峠*やっと最終巻にたどり着きました)」も、時代小説の部類だろう。

 

前田慶次の漫画を読み返すたびに『こんなふうに人生過ごせたら、かっこいいなぁ』の憧れを強くしてしまいます。 

*1:慶次、慶次郎他 別名多数あり