ヘヴンリー・ブルー

天使の卵』のアナザーストリー『ヘヴンリー・ブルー』を、一気に読み終えてしまった。

『ヘヴンリー・ブルー』は、『天使の卵』と『天使の梯子』のストーリーの中で、キーとなる言葉から、主人公である妹の独白調で綴られていた。

趣が前2作と違い、読み始めは戸惑ったが、ぐいぐい感情移入されられた。

 

誰しも、「あの時あんな事言わなきゃよかった。」と思い巡らすことはあるだろう。特に、相手が亡くなる前に「きついことを言ってしまった。」なんてことは、意外と思い当たる方も多いのではないだろうか。

後悔しても悔やみきれず、ずっと抱えて生きていく苦しさにさいなまれる人もいるだろう。

時間、時というのは不思議なものだ。すべてを昇華してやがて目の前に見えるものを美しくしてしまう。

 

村山由佳著の3作を読んだが、(昔なりたかった)絵描きの彼だったり、精神疾患を抱える親族の存在など、ところどころに自分の現体験と重なるような箇所に、見たくないものを見てしまう、そんな感覚で読み進めた。

感想は、おもしろいというのではなく、何かを感じさせられるというもの。好きなのかそうでないのか未だによくわからない。ただ、文体はすっきりしていて飾り気がなく好感が持てる。

 

天使の卵』、『天使の梯子』、『天使の卵』のアナザーストリー『ヘヴンリー・ブルー』と続いた。

このストリーの最終章らしき『天使の柩』を、次に読もうと思う。