日本のワールドカップサッカーがPK戦で幕を閉じた。負けていない試合だったが、ベスト8はまたしても遠かった。
テレビは各局とも惜敗日本の報道に終始しているが、そんな折、ふと、山田うどんを思い出した。
図書館で借りた1冊の本。『愛の山田うどん「廻ってくれ、俺の頭上で!!」』(2012年11月初版)の影響もあるのだろう。
もちろん、山田うどんとワールドカップサッカーは1ミリも関連はない。
ただ、変化を求めつつも、進化までたどり着かないもどかしさに共通項を感じるのだ。
山田うどんと言えば、埼玉県在住でほとんど知らない人はいないだろう。
かつて、創業者は、うどんのみならず、ニューヨークでラーメン店を経営したり、東京銀座でカントリーラーメンを展開した経緯がある。
その後、チェーン店を縮小し直営店に切り替え、なつかしくもあるうどんと埼玉性に特化して、北関東エリアで進化を遂げてきた。
その、うどんの山田うどんが、山田うどん食堂と名称を変えた後、昨今は、「埼玉タンメン」なるラーメン店を新たに展開しようとしている。今のところ、埼玉県内に3店舗。最寄りの国道4号線沿いも業態変更したばかりだ。
トレードマークのかかしは看板から消え去りキャベツが描かれている。お昼近くになると駐車場は満杯になり、お客さんが次から次へとやってくる。
山田うどんは、うどんを捨てて変化しようとしているのだろうか。少々不安な気持ちがよぎらないでもない。
創業者から代変わりしているだろうし、時として変化が必要なことは認めたいが、山田うどん産業という企業の進化につながるのだろうか。
懐かしさと新しさに揺れる心境の中で、どうか、うどんはなくさないでほしいと願う気持ちがこみあげてくるのは、私だけだろうか。