10万円給付金の申請

10万円給付金申請についての報道が多くなってきました。

 

総務大臣は「ぜひオンライン申請を」とおっしゃっていましたが、オンライン申請より郵送申請の方が早い可能性があるというお粗末な展開のようです。

 

もともとは、各自治体が所管している住民情報を、全国レベルの住民基本台帳ネットワークシステムに連動させることで利便性を図ることが目的なのです。

ただし、社会保障・税など限られた情報のみ使用が許可されセキュリティも強化されているので、今回のパンデミックは想定外。このため今回は法が適用されないようです。

 

ということは、国のシステムのマイナポータルから申請しても、各自治体は申請情報を閲覧できるだけで、自前の住民情報システムと連動できないのです。

なので、申請情報に間違いがないかどうか自前の住民情報システムと目視により突合して、誤りがあれば連絡⇒修正を行う、正しければ口座振り込み処理へ進むという流れになるのでしょう。

 

しかし、申請初期は、国のシステムに口座情報を登録する項目がなかったり(いまはあるようです)、複数回申請してもエラーにならないので過払いの可能性は否めず、市区町村では、「2回目以降の申請分は返してください」という作業まで加わり、2重3重の手間がかかることになります。

 

市区町村の窓口は大わらわで、自治体職員は土日返上で必死に処理をこなすという状況のようです。職員の心理的・体力的な過重も気の毒ですが、その労力に対する残業代も地方行政にとっては莫大な金額となりそうな気がします。

効率を悪くしてコストをかけるという最悪のパターンが、全国レベルで繰り広げられているようです。このことを総務大臣は理解しているのだろうか。。。

 

そもそも全国レベルの住民基本台帳ネットワークシステムは、情報システム関連業者が5社共同で構築している経緯があると記憶しています。

開始当初から動作の不具合や通信切断が頻繁で、挙句に処理能力も少なくすぐに停止になる使い勝手の悪いものでした。

開始から5,6年経過しているので改善されてはいるでしょうが、この国のマイナンバー普及率は未だに20%以下。所持していても特段メリットもなく利便性を感じるには程遠い状態です。

 

国のICTレベルは他の諸外国より20~30年遅れをとっているのではないでしょうか。

一部の民間企業がマスメディアに公開しているものは世界レベルに近いものもあるでしょうが、住民に直結するシステムは旧態依然としていて、いまだに紙・はんこに頼らざるを得ないのが現状だと改めて浮き彫りになっています。

国のICT施策もそうですが、ましてや地方自治体のICT化なども、口先だけで何一つ住民の役に立つものは構築されていないと思います。それはマイナンバー普及率に表れているのではないでしょうか。変えるなら今なんですけどねぇ(^^;

 

国の方針が、「本当に困っている人たちに30万円」から「みんなに10万円」へ転換した時に、地方自治体の窓口は大混乱になるのは分かりきっていた話。

街に住んでいる人々にとっては、『役所はみんな同じ』で市区町村の職員を捉まえて、嫌味や文句だけにとどまらず、どこかの市役所みたいに包丁持って喚き散らす人がでてくるんですよね。

この対応を、国の職員や国会議員、政府官僚もぜひ一度経験してほしいものです。