小心者の株式投資話

億り人

 再び株式投資への意欲に火が付いた頃、ふと立ち寄ったコンビニで「マンガでわかる 最強の株入門」という本が目についた。

 

 マンガなら素人にもわかりやすいかと安直に購入した。

 内容は、「株っていったいどんなもの?」から始まる入門書そのもの。興味をそそられたのが「めざせ億り人」というくだり。億り人とは、株で1億円稼いだ人の意味で、マンガゆえに自分でもできそうな気分にさせられた。

 

 もっとも、残りの寿命を考えると、今から億り人になるには少々時間がなさすぎるし、強烈な物欲も特段ない自分には、「億り人」を目標として設定するのはふさわしくないと感じた。

 それでも、この本をきっかけに、理解できていない株式投資用語を学習しようと、株式投資関連の本を手あたり次第(10冊くらい)買って読んだり、図書館で難しそうな本をポツポツ読んでみたりした。

 

 2020年は、自分の投資スタイルを確立しようと、思考錯誤している時期だった。

 ちょこちょこと買っては売り買っては売りを繰り返すが、一向に資金が増える見込みはない。それなのに「あれも買いたいこれも買いたい」という欲求だけ増え続け、ついに投資資金を増加してしまう。同時に、失敗して大損したらどうしようという不安は増していった。(ビビりなんです)

 

 少しでも不安を解消するために、大企業で潰れる心配が少ない「TOPIX銘柄」や、いわゆる「バフェット銘柄」の保有に、買いスタンスは流れたが、利潤増加という目的は達せられなかった。それどころか、値下がりに気を揉むなどストレスだけが残った気がする。

 この頃、ウォーレン・バフェットを通じて、ベンジャミン・グレアムやチャーリー・マンガーなど著名な投資家の本を図書館で読み漁っていた。感心するばかりで、結果何も残らなかったけど。

 

 「TOPIX銘柄」や「バフェット銘柄」に飽き足らず、次に辿り着いたのが「モメンタム銘柄」だった。モメンタムとは、速度、勢い、はずみの意味で、いま勢いがある銘柄は、この先も上がり続けるであろうという理論で、これに没入してしまった。

 

 ・・・つづく