小心者の株式投資話

仕手株

 高価格の株にも手が届くようになると、特に流通株式数が少なくて、かつ、優待新設や株式分割発表した銘柄に照準を定めた。

 

 ほとんどが、不発あるいは見込み違いだったが、ひとつだけ急騰した銘柄があった。

 その銘柄は、俗にいう仕手化状態となり、株価は急上昇と急降下を繰り返した。

 「売り時は今か?もっと上がるんじゃないか?」と欲の皮が突っ張りテンバガーを夢見て張り詰めた日々が続いたが、最終的に程よいところというか、自分で納得がいく株価で売却した。投資した資金が倍くらいになったものの、上下する株価を見ながら売り時にドキドキするのも、あまり心臓にいいものではないと実感した。

 この業界で「頭と尾っぽはくれてやれ」とよく言われるが、高値を追い続けるのではなく、そこそこの儲けで手を打つことの大切さを実体験を通して学んだ。なぜなら、高値はいつまでも続くものではなく、その後1か月もせずに、株価は急騰以前の価格以下に落ち込んでいったのである。

 

 仕手化した株は、大きく儲かることもあるが、リスクがかなり高いと思う。

 上がると見込んで、上がっていく高値で購入した直後に、真っ逆さまに下落して損を出し突き落とされる。なんとなく、競馬に負け続けて、最終レースに有り金全部突っ込む感覚に似ているような気がした。

 

 競馬もそうだが、株においても、余剰資金を自己判断でやるべきで、決して生活資金に手を付けてはいけない世界なのだと改めて痛感した。

 

 嬉しくも怖い体験をして、自分の株式投資スタイルを見直した。

 やはり、自分にとって有益な優待銘柄ははずせない。そして、昇格が期待できる銘柄であり、昇格時にいさぎよく売却できるものが望ましい。

 

 

 未だに昇格を果たした銘柄はないが、いつの日か継続保有している銘柄が昇格を果たして急騰してくれる、と信じて待ち続けるのみだ。